U's Cafe

「普通のカフェ」だからできること。ユーズカフェから地域の交流を取り戻せるか〈前編〉

隣の家に誰が住んでいるのかわからない」「地域の人の顔と名前が一致しない

そんな地域住民のつながりが希薄になった現代において、「高齢者の孤独死」や「社会から孤立した子育て」が社会問題になっています。

そんな中、神奈川県川崎市では街の失われたコミュニティを取り戻そうと、「子育て」「介護」「病気」「障害」など様々な問題を抱える人やその家族が気軽に立ち寄れる地域のコミュニティカフェ作りが「U’s Cafe(ユーズカフェ)」では行われています。

その「ユーズカフェ」の取り組みを、代表である川田和子さん(以下、川田さん)にインタビューをご紹介します。

 

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「普通のカフェ」だからできること

U's Cafe

–(ヨクラス編集部)今日はよろしくお願いします。
こちらへ伺う前、老若男女さまざまな人が交流ができるコミュニティカフェだと聞いていたので、
なんとなく
和の雰囲気だったりするのかと思っていたんですが…
本当にいわゆる普通の雰囲気のカフェですね。

 

川田さん:はい。メニューもピザトーストだったりパスタだったりで、普通のカフェです。

 

–実はさきほどいただきました。とてもおいしかったです。

ゆ〜ずカフェ

 

–今このカフェで働いてる方はボランティアですか?

川田さん:いえ、ここのお店は普通に営業していて、話し合いや勉強会の拠点に使わせていただいているだけなんですよ。
オーナーのうすいさん、その娘さんが店長で、あとは連絡会に所属しているボランティアの方がお手伝いに来ています。
連絡
会が運営しながら拠点にするっていっても結局、水道光熱費や場所代は出せないですから。

–コミュニティカフェと聞くだけで、少し足が遠のいてしまう感じがあるかもしれませんが、実際来てみると本当に普通の雰囲気のカフェですし、窓も大きくて明るく、居心地がいいですね。
普通のカフェとちょっと違うところはといえば、ファッション雑誌などの代わりに、認知症や介護の本が置いてあったり、ちらしが貼ってあるところでしょうか。

川田さん:そうなんです。ここは普通のカフェで、高齢者とか子どもとか関係なく来れるところだから、パッと目にとまるところにそういう情報を置いてみたりして、いろんな情報収集ができる場にしてほしいと思っています

–実際今日も、お子さん連れのお母さんがお二人がいらっしゃってますね。

川田さんキッズスペースも有るので、親子連れの方も気軽に来ていただけますよ。

U's Cafe

 

 

さまざまな思いが交差する「コミュニティカフェ」という場

–そもそも、ユーズカフェを作ったきっかけはなんだったのでしょうか?

U's Cafe

川田さん:川崎市宮前区北部にある稗原地区の7つの自治会と介護福祉施設、地域包括センター、2つの障害者施設、認知症専門病院、老人いこいの家、小学校が地域一帯で福祉の取り組みをするため「稗原ゆ〜ず連絡会」を結成することになりました。ただ何処にも属さない拠点が必要でした。
そこは誰もが福祉の情報を得る場であり、気軽に相談できる場所にしたいと思っていましたが、
場所代や水道光熱費を支払うほどの予算はなかったので、
これから開店するユーズカフェに協力をお願いしました。既存のカフェとの連携となったわけです。

–コミュニティの場の作り方としては他にも方法があると思うんですが、どうしてカフェだったんですか?

川田さん:いろいろな人が足を運べる場は利点です。
たまたま趣旨を理解して「協力するよ!」と言ってくれたのがユーズカフェだったんです。
川崎市の地域包括ケアシステムは「子供から高齢者まで」となっています。
地域から考えるケアシステムを実践していくうえで、異年齢が出入りするカフェを窓口にできたことは幸せだったと思います。ま
た、連絡会には子供、障がい、高齢の専門分野の人が所属しておりますので、気になる方がいたら、オーナーから連絡が連絡会に入りますので、必要に応じて繋げることもできます。

–子育てや介護、病気や障害者のことなど、生活に関わるさまざまな情報を交換できる場なんですね。

川田さん:そうですね。利用される方にもそういう場所なんだと知ってもらい、安心して話していただきたいですね。

U's Cafe

–安心して話をする、というのは、例えばどういったことですか?

川田さん:カフェスタッフは、オーナー母娘と連絡会所属のボランティアさんです。専門家ではありませんが、傾聴することで心の息抜きをしてくれたらと心がけてくださっている方々です。
ちょっとした人とのふれあいが安心にもつながり、メンタル面が癒されればとスタッフ一同考えていますので…。

–確かに、その場所が「普通の雰囲気のあるカフェ」だというところに意義があると思います。

U's Cafe

川田さん:連絡会の拠点であるユーズカフェは、普通の喫茶店であり、包括支援センターや区役所から得る施設情報を知る場、相談を繋げていく場なのです。

 

地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心した生活を続けられるように
支援を行う総合機関として、各市町村が設置。
地域包括支援センターでは、できるかぎり介護が必要な状態にならないように
介護予防サービスのご相談を受けている。
また、介護以外にも高齢者に関する様々なご相談をお受けし、必要なサービスにつないだり、
権利や安全を守る役割を行なっている。神奈川県HP より抜粋


(2017.4月再編集済み)