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味方につけると介護がもっと楽になる。一家に1人家庭医を持つべき理由

生後3ヶ月の乳幼児から高齢者までのあらゆる健康問題を扱う、家庭医療専門医(家庭医)。病気と身体の老化を併せ持つ高齢者の治療についてもトレーニングされた家庭医は、高齢者のケアにこそ本領を発揮するといいます。家庭医・田中氏へのインタビューを交えながら、介護が必要な家族を持つ人が家庭医を持つべき理由を考えていきます。

 

高齢者には高齢者にあったケアを

−家庭医になる研修では、高齢者について学ぶ機会が多いのでしょうか?

家庭医・田中氏はい、研修内容の分野としてあります。通常、高齢者に特化して学ぶ機会というのは、医師になるための教育課程では十分とはいえません。

高齢者は日常生活における動作が落ちていくので、それを前提にどう治療するかを考えていきます。つまり、日常生活を支える介護の要素も学んでいくので、在宅であれば訪問介護のスタッフの動きを想像し考えるので、連携がスムーズです。介護スタッフの動きも考えてケアを考えられるというのは、他の専門医療をしている医師には難しいかもしれません。

 

専門家チームを組んで在宅生活をサポート

−具体的にはどんなケアを考えることが多いですか?

家庭医・田中氏在宅で過ごす高齢者だと、介護はもちろん、看取りを視野にいれた終末期の患者さんも受け持ちます。どうしたら最期まで家族みんなで安心して暮らせるか、サポートしていくか、という視点でのケアですね。
サポートするための必要な職種との連携、チームでの体制が大切だと思っています。

私の場合、ケアマネジャーさんや地域包括支援センター、福祉、介護と連携を持っていこうと意識していて、そのために普段から医療以外の業界の人達との情報交換も積極的に行なっています。
様々な職種と連携しながら、治療に伴う痛みのコントロールだったり、患者さん本人の不安、そしてその家族の不安にも寄り添います。単身者や老老介護のお宅の場合は、「そもそもトイレに行けるのか?」等、福祉用具をどこにどう使えばいいのかなど、住環境までみますね。

 

本人が自然と本音を話せるように

−お医者さんの前だとしゃきっとする患者さん、多いと思いますが…、患者の本音を引き出すために、何か取り組まれていることはありますか?

家庭医・田中氏そうですね、そういった方多いですね。ただそれを誰が聞き出せるかは人によりけりです。私に、っていう時もありますし、ぼそっとなじみのヘルパーさんに言うのか、家族に言える関係性があるのか、それともケアマネジャーさんか。
私は終末期ケアの時は、ケアに入る職種を増やすことがあります。もちろん患者さんの了解を得てなんですが。痛みがとれない、どうしようもない、っていう時はマッサージ師さんに施術してもらい、話を聞きながらやってくれたりします。マッサージされている時は気持ちも落ち着きますから、ポロッと話をしてくれたりします。誰かに本音を話せるようなケアを考えてやっていますね。

 

家庭医については、【医師に聞いた】0歳から100歳を診る「家庭医」ってどんな医者?にて詳しくご紹介しています。


介護・医療が専門家チームをもって家族を支えてくれるほど、心強いことはありません。3つの視点!「ネウボラおばさん」から学ぶケアマネジャーの見極め方  でもご紹介しましたが、介護を受けている本人やその家族にどこまで理解があるのかという視点で、専門家選びをしていくことが、介護生活を続けていく大きなポイントになります。ぜひ一度見直してみませんか。

家庭医田中氏