「未来のために今を変える」65歳以上向けの部屋探しサイト「R65不動産」が目指す自分らしい暮らし方 Vol.3

「未来のために今を変える」65歳以上向けの部屋探しサイト「R65不動産」が目指す自分らしい暮らし方 Vol.3

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65」というと、皆さんはどんな想像をしますか?

65歳は、仕事の面では定年退職の年齢となり、同時に「高齢者」の仲間入りをします。でも、今の65歳の方を目の前にすると、すごく若い。「お元気そう」とかじゃなく、普通に元気。

しかし、「定年退職もしたし、新たな土地で余生を過ごすか」などと考え賃貸住宅を借りようとすると、まだまだ若いと思っていたとしても「65歳」の壁が立ちはだかり、家を借りにくいという現実があるのです。

 

そんな現状を変えるべく立ち上がったのが「R65不動産」という、65歳以上の人のためのお部屋探しサイトを運営している、まだ26歳と若い山本遼さん。

「現状を変える」というより「わがままな自分の未来のために」運営していると言う山本さんですが、荻窪家族レジデンスの一角をお借りしつ、その言葉の奥に隠された意味をインタビューを通して紐解き、3回にわけてお届けします。

第3回目は、R65が目指すこと。

 

「終活」について考えるということ

──例えば、今特養に入っているとして、でも5年前から自立して充実した環境に身をおいて今を迎えていたら、特養には入らずに済んだみたいな人っていたりしませんか?

 

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山本:たぶんいるでしょうね。

 

──だから、特養を増設することにお金をかけるくらいなら、話に出たR65保険を作ったりしてそこに手当てをした方がいいと思うんです。「行政が手当てしてくれるんだったら65歳以上入れてもいい」っていうオーナーも増えると思いますし。

 

山本:本当ですよね。

 

──そうすれば少額で済むし、5年後にもしかしたら有料老人ホームに入る人を減らせるかもしれません。

 

山本:そうですよね。入居者さんも行きたい所に行って幸せになれるし、行政としても無駄なお金を使わずに済んで、みんな幸せになると思います。

 

──ドイツの特養的なホームって、ゆとりがあってパンクもしてないんですよね。なぜかというと、年配の人にとって住みやすい社会作りがうまく働いて、結果最後の亡くなる前の2年くらいしかそういう場所にいないからなんですよね。だから特養の空き待ちもいなくて。その最後の2年より前の時期をうまく充実させることが大事な気がしたんです。日本はこのまま特養を建て続けても、建てる場所自体がなくなるんじゃないかと思って。

 

山本:これって終末期医療の話もあるんだと思うんですよ。寝たきりのおじいちゃんどうするって話ももちろん出てくるとは思うんですけど、投資するタイミングが早ければそんなに大きな問題にならないと思います。

 

──寝たきりでも2年くらいですもんね。

 

山本:介護施設って管理しようとし過ぎるのがだめだと思うんです。本人の意思を尊重する施設も出てきているので、そういう場所に入れたらすごく幸せですよね。

 

──家の祖母も家で看取りたかったんですけど、てんかんが起きやすくなっちゃって。

 

山本:そうなると仕方ないですよね。どう頑張っても死に方って選べないじゃないですか。しかも日本は宗教がない分良い側面ももちろんあるんですけど、死生観とか、どうしたら人が死ぬのかとか、死んだらどうなるのかとか、どう死ぬのが幸せなのかってあんまり考えない気がします。

 

──死に方を自分で考えなさいってことですよね。

 

山本:そうです。団塊の世代の人は、どう自分の最後を過ごすのかって考えてる人、すごく多いですね。そういう方に、施設一択っていうのがすごく残酷なのかなって思うんですよ。

 

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暮らしの基盤の上の部分も手がけていきたい

R65はですね、実は法人登記をする時に、R65不動産として登記してないんですよ。R65で止まってて。

 

──「株式会社R65」?

 

山本:そう、「R65inc.」で止まってるんです。それは、不動産ってあくまで暮らしの入り口でしかなくて、住んでもらった人がその後どうなるのかっていう暮らしの基盤として住宅はあるけど、その上の部分は不動産だけじゃできないので、そういった部分もやっていきたいなというのがあります。全然手が足りないのでまだそこまでできないんですけど、引越して終わりっていうのはちょっと面白くないかなって。

 

──引っ越しのその先にやってみたいことはありますか?

 

山本:働きたいっていう人多いので、人を雇いたいですね。

 

──そうだ。インターンを募集していましたよね。「ジイチャーーン」と「バアチャーーン」(笑)

 

山本:あれ一応エイプリルフールにネタでやったつもりだったんですけど、来ちゃったんです(笑)

 

──おお!きたんですね(笑)

 

山本:来ちゃいました。アメリカ在住の方で、海外での暮らしぶりについて記事を書いてくれることになりました。

 

──何歳の方ですか?

 

山本:68歳かな?女性の方です。

 

──いいですね。ネットで応募してくるなんて本当若い。

 

山本:イケイケじゃん!みたいなね。かっこいいですよね。ばあちゃんなんて言えないですよね。

 

──なるほど。働き方ね。

 

山本:地域の大学とか作りたいですよね。一緒になって何かやりたいです。

 

──必ずしもお金を稼ぐシステムがあるかとはちょっと違うのかもしれないんですけどね。

 

山本:お金にならなくても、社会のためにできることは色々ありますよね。

 

──団塊の世代の人達って、活力とかその人の持つエネルギーを持て余しちゃうので、再就職して働いてる人結構いると思うんですよ。全くいなくなった時に、その人数の有り余ったエネルギーがどこにいっちゃうのか結構不安かもしれません。

 

山本:もったいないですよね。今扱ってる案件のひとつに、山武市っていう千葉の山の方があるんですけど、そこにシニア向けシェアハウスを作った77歳の方がいるんです。ご夫婦で。すごい元気ですよね。「この椅子と机は旦那が作った」って言っていたり。この前行ったら、裏に小屋ができてたんです。この間暇だったから作ったとか言ってて(笑)

 

──すごいですね(笑)

 

山本:シェアハウスの入居者さんと一緒に畑を耕し、裏の山で取れたタケノコあげるとか。そういうの最高ですよね。誰かに言われてやるのももしかしたらいいのかもしれないけど、もともと自分が持ってた能力とかノウハウとかそういうのを誰かのために使えるっていうのはすごく幸せですよね。お金のために働くのっにて本当尊いことですよね。

 

──今まで培ったノウハウを誰かのために提供することで、生き生きと暮らしていけるのは素敵ですよね。

 

山本:本来の仕事のやり方っていろいろあると思ってますが、その先の結果としてお金がありますよね。そうなると、そういう力の使い方ってすばらしいですよね。それが結果仕事になったらなおさら幸せだと思います。

 

──自分の生きたい生き方で人生を送れるようにするために、例えばどういう人と結婚して、どういう仕事をして、何人子供ができて、こんな家族にしたいなみたいなのが本来の生き方だと思うんですよ。でも「働き方論」「子育て論」ばかりが先行しちゃって、結果どうなりたいっていう所がちゅうぶらりんな人って多いと思います。

 

山本:「楽して稼ぐ方法」みたいな本ってあるじゃないですか。でもそれでいいの?って思います。適切に苦労したいですよね。

 

──その結果、もっとうまい感じにしていきたいんですよね?

 

山本:高齢者への貸出しがOKな物件を見つけるため、ひたすら電話をすることもひとつのプロセスだったと思って。おじいちゃんにフィットする部屋を探すには「電話をかけまくること」はひとつの手段だったんです。でもこれからは、別のアプローチもあると思うので、平行して進めつつ、その人が引っ越した時にすごく幸せになれるような不動産っていうのがこれからの在り方かなと思いますね。

 

 

インタビューを終えて

R65を始めた経緯をお伺いした時、「おじいちゃんやおばあちゃんのためじゃなくて、未来の自分のため」とおっしゃっていました。しかし、「ただ住む家を探す」のではなく、その場所で暮らすことの意味やその土地でのコミュニティなど、人が人として最後まで生きられることを考えたいという思いは、誰よりも人のためになる仕事だと感じました。

65歳になると部屋が借りづらくなるという現実も、今回初めて知りました。そして、山本さんがおっしゃるセンサーなどの仕組みをうまく取り入れたり、賛同してくださる不動産屋やオーナーがもっと増えたらと改めて感じました。

多くのことが多様化してきている時代に、すべての人が同じような住まい、同じサービスを受け入れるとは限りません。未来のために、今を変えようと行動する山本さん。皆さんも、今できることを少しずつしていったら、未来は明るくなるかもしれません。

 

R65不動産|65歳からのお部屋探しサイト

http://r65.info