「先延ばししない」親との介護の話がしやすくなるたった1つのコツ

「先延ばししない」親との介護の話がしやすくなるたった1つのコツ

介護=老いる準備。

親に「介護が必要になったらどうする?」と単刀直入に聞くこともできれば、義両親や親戚などの場合は、なかなかそういかないことも多いかもしれません。

一人暮らしの高齢者が増えている今、家族間で問題が起きないように言葉に出して確認し合う必要性が徐々に高まってきているのです。

 

老いる準備へのハードルの高さ

死に対するタブー意識が存在している日本では、他国に比べ日常生活において死について考えたり、老いる準備をしたりすることは、決して活発に行なわれている状況ではないといえます。

書店に行けば、終活のための「エンディングノート」とよばれる、自分に何かあった時に伝えておきたいノートなどが並んでいます。

しかし、30代以上の回答者の6割がエンディングノートの存在を知っていますが、実際の作成経験はそのうちの 2%に過ぎないという報告があります。(※2)

 

親と介護の話をするたった1つのコツ

いきなり介護の話ではなく、「人生の話を聞く」という姿勢で、話をしてみませんか

「親のアイデンティティ(自分という存在)はどこからきているのか」

「親にとって、時間を過ごす適切な場所はどこなのか」

親が幼少期からどんな生活をしてきて、そしてこれからどうしていきたいのかを、ゆっくりと話を聞く時間を持ってみましょう。

 

生活の回転盤

イギリスにて高齢者の質の高い生活の維持を研究する際に用いられた、生活の回転盤(※1)というツールに沿って、質問例をご紹介します。

生活の回転盤

 

 

◯現在の状況について

項目

あなたは何者か(存在の確認)

屋内の過ごし方
(心地よさ・空間認識)

外出、社交関係
(社会活動)

質問

内容

役割、仕事(対価有無問わず)は何か。

子・孫の有無はいるのか。

日常生活において、何があると、安心感・快適性・利便性を感じるのか。 買い物・社交・交通はどのように行なっているのか。

 

項目


(物への執着)

独りで生活すること
(空間の共有)

近隣
(高齢者の所属の場)

内容 家財、写真、庭など、

あなたにとって家は何を意味するのか。

家族の誰かと共に生活する、

あるいは集団で生活することについてどう考えているのか。

隣人、近隣の環境はどうなっているのか。

 

 

◯過去・未来について

項目

過去
(アイデンティティの生まれた
時間・場所・空間)

未来
(希望する老い方)

内容 あなた自身とあなたの生まれは何か。 あなたの未来をどうしていきたいのか。

延命を臨むのか。

どの場所で老いていきたいのか。

家族に対して望むものは何か。

 

日常生活の継続がどこまで行なえるかは、Quality of Life・生活の質)に大きく関係します。

ただし、本人にとって良い環境と、家族がサポートできる環境は必ずしも一致しないかもしれません。

そうなる前に、まずは話に耳を傾ける姿勢を互いに持つことで合意できるところを探しておけるとよいと思います。

 

なお、家族との関係性については、世話「される」側から「する」側へ。「チーム」をつくり、家族で協力しあう3つのポイントで詳しく紹介しています。こちらも合わせてお読みください。

 

 

《参照》

(※1)
高齢期における生活の質の探求 イギリス高齢者の実相 アランウォーカー著
第4章 高齢期の環境とアイデンティティ 図表4-1 生活の回転盤より一部意訳の元抜粋

(※2)
安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の 創出に向けた普及啓発に関する研究会 報告書  平成24年4月 経済産業省商務情報政策局サービス政策課サービス産業室
http://www.meti.go.jp/press/2012/04/20120426006/20120426006-3.pdf

 

photo credit: CCM Advertising Blotter via photopin (license)