【介護と仕事・自分らしい暮らし方をつくる】Vol.1「働き続けるための制度とは?ポイント3つまとめ」

【介護と仕事・自分らしい暮らし方をつくる】Vol.1「働き続けるための制度とは?ポイント3つまとめ」

今回から始まる5回にわたる連載【介護と仕事・自分らしい暮らし方をつくる】では、介護と仕事をめぐる日本の今を、数字や実体験を通してお伝えします。超高齢化社会に向けて、私たちが準備するべきことはなんでしょうか。

Vol.1では、働き続けるための制度」についてのポイント3つをご紹介します。

 

厚生労働省の育児休業、介護休業のあらましによれば、
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」)は、育児又は家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて我が国の経済及び社会の発展に資することを目的としている」とされています。

 

Point 1

仕事と介護を両立するには?
「準備期間と介護休業制度について」

介護生活はいつまで続くのか、先がわかりません。介護休業の期間は大前提として、仕事と介護生活が両立できるようにするための準備期間だと考えることが大切です。

■介護休業制度(法第11条~第15条)

労働者は、申し出ることにより、「要介護状態」にある「対象家族」1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。期間は通算して(のべ)93までです。

介護休業

※介護休業制度の図

 

この制度での「要介護状態」とは
→負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態。必ずしも介護認定を受けている必要はありません。

・「対象家族」とは
配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫のこと必ずしも親だけでなく、自分の子どもに対しても適用できます

 

2回目の介護休業ができるのは、要介護状態から回復した対象家族が、再び要介護状態に至った場合で、3回目以降も同様です。対象家族1人当たりの取得日数の上限は、通算して93日までとなりました。(平成21年度改正)

 

Point 2

柔軟な働き方をするには?
「勤務時間の短縮等の措置を」

介護と仕事を両立するためには、働き方を今までよりも柔軟にする必要があります。働き方の選択肢がどのように用意されているのかをみていきましょう。

■勤務時間の短縮等の措置(法第23条、第24条)

事業主は、3歳未満の子を養育し、又は要介護状態にある対象家族の介護を行う労働者については、勤務時間の短縮等の措置を講じなければなりません。

また、事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育し、又は家族を介護する労働者については、育児・介護休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じた措置を講ずるよう努めなければなりません

 

<介護のための勤務時間の短縮等の措置>

◯事業主は、働きながら要介護状態にある対象家族の介護を容易にするため、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について、次のいずれかの措置を講じなければなりません。

勤務時間措置

 

※短時間勤務制度

(1)1日の所定労働時間を短縮する制度
(2)週又は月の所定労働時間を短縮する制度
(3)週又は月の所定労働日数を短縮する制度(隔日勤務、特定の曜日のみの勤務等の制度をいいます。)
(4)労働者が個々に勤務しない日又は時間を請求することを認める制度

平成21年度法改正により、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算93日までの間で労働者が申し出た期間、措置が受けられるようになりましたなお、介護休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置の内容については、介護を必要とする期間、回数、対象となる家族の範囲等について法で定められた最低基準を上回るものとすることが、事業主の努力義務(※1)として求められています。

 

Point 3

率先して両立支援をしてもらうには?
「職業家庭両立推進者の選任を」

勤務時間の短縮等の措置に比べると効力は低くなりますが、介護と仕事の両立を推進する者の選任についても、企業側が努めなければならないとされています。

■職業家庭両立推進者の選任(法第29条)

事業主は、職業家庭両立推進者を選任するように努めなければなりません。

◯職業家庭両立推進者は、法の規定に基づき事業主が講ずべき措置等を円滑に実施することをはじめ、職場の雰囲気作り等労働者の職業生活と家庭生活との両立を図りやすくするために必要な一切の業務を行います。

 

『介護離職しない・させない』(和氣美枝・毎日新聞出版)によると、2016年現在、働きながら介護をしている人は240万人を越えると言われています。そのうち年間8万人から9万人が離職していましたが、2011年以降は10万人を越す離職者数になりました。

 

「今はまだ早い」という方も、職場の制度や働き手の権利などをもう一度見直し、自分にとっての介護と仕事の両立の仕方を考えていく必要があります。

 

Vol.2では、実際に介護休業を取得した方にインタビューをし、新たな生活についてお聞きしていきます。

 


(※1)日本の法制上「〜するよう努めなければならない」などと規定され、違反しても罰則その他の法的制裁を受けない作為義務・不作為義務のことである。 遵守されるか否かは当事者の任意の協力にのみ左右され、またその達成度も当事者の判断に委ねられる。


 

photo credit:business meeting via photopin (license)


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