【介護と仕事、自分らしい暮らし方をつくるには】Vol.3 取材:実体験をより活かすために始めた取り組み

【介護と仕事、自分らしい暮らし方をつくるには】Vol.3 取材:実体験をより活かすために始めた取り組み

【介護と仕事・自分らしい暮らし方をつくる】では、介護と仕事をめぐる日本の今を、数字や実体験を通してお伝えします。超高齢化社会に向けて、私たちが準備するべきことはなんでしょうか。

 

【介護と仕事・自分らしい暮らし方をつくる】Vol.3は、「取材:実体験をより活かすために始めた取り組み」

東京都高齢者保健福祉計画(平成27年度~平成29年度)(※1)の1つに、「見守りネットワークの構築と安全・安心に暮らせる体制の整備」があります。

◯高齢者の孤立化や閉じこもり防止のため、気軽に立ち寄り、参加できるサロンの整備を支援するなど 「地域における居場所づくり」に取り組みます。
((6)介護予防の推進と支え合う地域づくり ~「支えられる存在」から「地域を自ら支える存在」へ~ 見守りネットワークの構築と安全・安心に暮らせる体制の整備 施策の方向 2項目より抜粋)

この計画の他にも各行政が設定した目標に沿い、23区自治体が社会福祉協議会(※2)、市民NPO団体、企業と恊働し、高齢者や介護者の孤立化を防ぐことを目的とした場づくりをしています。地域の高齢者や介護者が気軽に立ち寄り、お茶菓子等を楽しみながら、交流・相談等ができる場として各地で開催されています。

 

今回は都内にて、ある市民の方の実体験を高齢者の暮らしに活かすために、地域における居場所づくり(以下、サロン)の様子を、Hさんに取材しました。

 

なぜ高齢者の居場所をつくり続けるのか

クラシックの映画をテーマにした生演奏付きの音楽鑑賞や、脳を活性化させるトレーニングなど、毎月開催の内容が変わることが、取材先のサロンの特徴です。

取材したサロンの代表をされているHさんは、元々歯科衛生士だったそうです。Hさんの生活が一転したのはご両親が要介護状態になった時。以降現在に至るまで、在宅でご両親を24時間介護し続けています(2016年8月現在)。サロン開催中は他のご家族に代わってもらっているそうです。

「私は最も大変な(介護の)状況をみているから、そうなる前に高齢者のみなさんが知るべきことを知って、予防してほしい。その気持ちが、居場所づくりを続けている理由だと思います。」

 

仕事の経験を還元する

取材した日のサロンの開催内容は音楽鑑賞。鑑賞だけではなく、最後に「上を向いて歩こう」をみなさんで歌い、会が終了しました。

「私は歯科衛生士だから、口腔体操をやりたいんです。噛むことが何より大切でしょう?でもそれでは(体操だけでは)きっとつまらない。歌を歌ったり、こうしておしゃべりを楽しみながら(会の終了後も残って雑談している参加者の方をみながら)、気付いたらしっかり口を動かしている。こういう時間、空間が必要なんだと思います。」

 

介護以外の生き甲斐を見つける

Hさんのように、家族の介護だけに専念するのではなく、仕事の経験を生かした結果、介護者が地域、社会とつながり続けることは、日本の介護者が今後増える中でも、大変勇気をもらう取組みであり、姿勢だと感じる時間でした。

要介護状態になっていなくとも、高齢となった親や地域住民との関わり方にも、大きなヒントになるかもしれませんね。

次回vol.4では、「介護者予備軍の備え方」をご紹介します。

 


(※1)東京都高齢者保健福祉計画(平成 27 年度~平成 29 年度)
計画の概要は、以下の3つとなっている。
1,「老人福祉計画」と「介護保険事業支援計画」を一体的に策定
2,平成27年度から平成29年度までの3か年の計画
3,「団塊の世代」が75歳以上となる平成37年を見据えた計画

 

(※2)社会福祉協議会とは、行政関与によって戦前から戦中に設立された民間慈善団体の中央組織・連合会(「中央慈善協会」「恩賜財団同胞援護会」「全日本民生委員同盟」「日本社会事業協会」など)およびその都道府県組織を起源とする組織で、地域福祉の推進を図ることを目的とする民間団体。略して社協と称される。(社会福祉協議会 – Wikipediaより)

 

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