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【介護と仕事、自分らしい暮らし方をつくるには】Vol.4 介護者予備軍の備え方とは?

【介護と仕事・自分らしい暮らし方をつくる】では、介護と仕事をめぐる日本の今を、数字や実体験を通してお伝えします。超高齢化社会に向けて、私たちが準備するべきことはなんでしょうか。

 

Vol.1では制度の紹介を、Vol2、3では当事者のケースについてご紹介してきました。
介護は実際に当事者として直面しなければ、「両親はなんとか元気だし、まだまだ私には先の話…」と、自分のこととして捉えきれない現状があります。

Vol.4では、「介護者予備軍の備え方とは?」として、日本の介護者に関係する課題と、その備え方についてのポイントをおさえていきましょう。

 

Point 1

【介護者の仕事】たった15%の利用率・介護休業等制度

就業構造基本調査2012(※1) による調査結果から、日本における介護者や介護予備軍、介護休業制度の利用実態をまとめました。

就業構造基本調査2012によれば、日本における介護者は557万4,000人 (うち男性は200万6,000人、女性は356万8,000人)で、介護者の2人に1人が60歳という統計になっています。介護者予備軍は60代以下の人が、誰でもなる可能性があるのです。

介護をしている雇用者(239万9,000人)のうち、「介護休業等制度の利用あり」の人は37万8,000人。全体の約15%にとどまります。

このうち「介護休業」 の利用者は7万6,000人「短時間勤務」は5万6,000人「介護休暇(※2)」は5万5,000人となっています。
<参照:
Vol.1の「働き続けるための制度とは?ポイント3つまとめ」

せっかく会社の制度が整っていても、使わなければ制度の有用性が低くなる一方です。

 

Point 2

【介護者の仕事】介護(看護)離職の8割が女性!

あなたの会社の介護休暇等制度の中身は? 利用率は何%? 実際に取得した経験者に話を聞いてみましょう。

就業構造基本調査2012によると、過去5年間に介護・看護のため前職を離職した人は48万7,000人で、このうち女性は38万9,000人と、全体の約8割を占めます。

働き盛りの40代以降に離職すると、職探しは年齢に比例して難しくなる傾向があるため、正社員としての雇用が難しくなってくる可能性があります。また、離職後に働いていない介護者の就業希望の有無、求職活動の有無別の割合をみると、50歳未満の男女共に離職後に介護をしている人が、離職後に介護をしていない人に比べ、「就業希望者」及び「求職者」の割合が高い数字が出ています。

『介護離職しない・させない』(和氣美枝・毎日新聞出版)によると、介護を理由に離職する理由として上げられる多くが、「労働時間が長かったため」「介護しながら仕事をすることに、理解が得られなかったため」とあります。

働き方の見直しや制度の確認は大切だといえますね。

Point 3

【介護者の家族】自分の他に誰が介護者になれるか?

いざとなったとき相談できる同僚や上司がいますか? 介護に対する社内の理解や雰囲気はどうですか? 自分の状況を客観的にみる時間をとってみましょう。

世話「される」側から「する」側へ。「チーム」をつくり、家族で協力しあう3つのポイント にて詳しく取り上げた、福岡県立大学看護学研究紀要(2014) による、6つの「介護力」の1つ、【周囲の援助活用力】。周囲の援助活用力を図る指標は下記のように定義されています。

・家族や親戚、近所の人が介護を手伝ってくれている

・一人で何でもやろうとしないで周りの人に協力を頼んでいる

・介護の大変さや辛さを理解してくれる人がいる

筆者自身も、Vol2、3では当事者のケースや、他の介護者の状況を多く知る機会がありますが、生活をうまく成り立たせている介護者に共通するのは、【周囲の援助活用力】が高いと感じます。

 

自分以外の家族や親戚、近所の人など、介護を手伝ってくれる人がいますか? 仕事においても家庭においても、周囲の人に普段から協力を頼む習慣をつけましょう。

いつかくる日にそなえて、自分が今できることは何か。Vol.4でそのヒントを得ていただけましたでしょうか。

Vol.5では、「介護は絶望ではない。」として、介護者として持つ心持ちのヒントを紹介しつつ、介護と仕事、自分らしい暮らし方をつくるためにどうしていくかを考えます。

 


(※1)就業構造基本調査2012
(※2)介護休暇は、要介護状態※1にある対象家族※2の介護、その他の世話(買い物、通院の付き添い等)を行うために、1年に5日まで(対象家族が2人以上の場合は10日まで)取得する休暇で、単発で取得することができる制度。